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イラストコラム
めるへんめーかー「海底二万哩」
日本ヴェルヌ事情
―月世界旅行―
監修・横田順彌
第2回「日本人向けに」
日本人向けに翻訳されだしたヴェルヌ……
ある翻訳家の努力により、
日本人にもっとも愛されることになる空想冒険小説家になっていく!
ヴェルヌ作「月世界旅行」(De la terre a la lune)は、1865年(寛永元年)に発表されたが、日本語への翻訳は1880年(明治13)から翌年にかけて、二書楼から「九十七時二十分 月世界旅行」(全十巻)として出版されたものが最初である。この翻訳をまとめたのは、森田思軒と共にヴェルヌ翻訳の立役者となる井上勤であった。
井上は1850年(寛永3)、徳島藩医の家に生まれ、幼い頃からオランダ人に英語を学び、その後にドイツ領事館でドイツ語を習得し、1881年(明治14)年には大蔵省関税局の翻訳掛となった人物である。彼の関わった翻訳を見ると、シェークスピア、ゲーテなどの作品以外にも、アラビアンナイトやトーマス・モアやハーバート・スペンサーの論文等、実に多岐に渡っている。甥である内田魯庵とは、翻訳雑誌の出版等も行なっており、日本で最初のプロ翻訳家の一人であったことは間違いないだろう。
無論、彼自身がすべて翻訳した訳ではなく、何人かの翻訳者を彼がまとめるという手法であったのだが、海外の知識を積極的に取り入れることで、近代化を図ろうとした明治の日本にとって、こうした翻訳は貴重なものであった。ただし、海外知識の啓蒙というだけで読者が獲得出来るわけではない。
井上はフランスの原典からではなく、英語版の「From the Earth to the Moon」から翻訳を行なったが、内容の一部を省略し、脚色を施すことで、当時の一般的な日本人読者にとって読み易い読み物としている。また特筆すべきは、原典から模写した挿絵を掲載したことで、ヴェルヌの豊かなイマジネーションのビジュアル化につとめたことだろう。これ以後、ヴェルヌ作品にイラストが付き物となったが、こうしたことから見ても、広く読者をターゲットにした、日本最初の翻訳出版こそが「月世界旅行」と言える。
これをキッカケに、「亜非利加内地三十五日間空中旅行」(明治16・気球に乗って五週間)、「六万英里 海底旅行」(明治17・海底二万リーグ)、「万里絶城 北極旅行」(明治20、ハテラス船長の冒険)、「拍案驚奇 地底旅行」(明治20・地底旅行)などが、続々と翻訳出版されることとなる。また、貫名駿一「千万無量 星世界旅行」(明治15)や北海散士「夢幻現象 政海之破裂」(明治21)など、「月世界旅行」に強い影響を受けた国産作品なども生まれてくる。
明治におけるヴェルヌ・ブームの始まりであった。
[文責・白土晴一]
ワールドコン見聞のぉと
第2回 「ボランティアをするんでぃあ!」
ワールドコン日本実行委員会
受付しました・その直後から、働けちゃうから
ボランティア好きスキ(ハート)
SFコンベンションのスタッフは、基本的にみなボランティアです。
でも、今回ここ紹介するでボランティアとは、企画準備段階から、コンベンション終了までずっと運営に携わっているコン・スタッフ(コン・コミッティ)ではなく、少しの時間でも運営を手伝ってあげようという、参加者からの協力者の事です。
ワールドコンでは、希望者がボランティアの登録を済ませると、「VOLUNTEER」と書かれたリボンをくれます(下図参照)。これを付けて企画のお手伝いをするので、参加者にもコンスタッフにも「ボランティア」だ、という事がはっきりわかるようになっているわけです。
洋の東西を問わず、コンベンションでは沢山の仕事が発生します。細々としたものから企画のパネラーまで、ボランティアの助けによってスムーズな運営が出来るのです。
<Nippon2007>は“電車で行けるワールドコン”です。そして同時に第46回日本SF大会でもあります。みなさんの参加をお待ちしております!
ボランティア大募集!!
●という訳で、HAMACON2でもボランティア大募集!
●1時間単位で、出来る時間だけご協力下さい。
●ご協力頂いた時間に応じて、ちょっとしたお土産もあります。まずは登録して下さい。
●登録はホームページでも事前に出来るようにする予定ですが、当日会場で、でももちろんOKです。
●会場でボランティア事務所に来ていただけば、お仕事を割り当てます。
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