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Last updated Jun/13/2005

HAMACON2 プログレスレポートWeb版 Vol.3

HAMACON 2
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福井インタビュー 「SFの面白さを知ってもらいたい」
福井晴敏
Harutoshi Fukui

今大会3人のG・O・H(ゲスト・オブ・オナー)の最後を締めくくるのは、SF世界の牽引役になりつつある福井晴敏さんです。
インタビューでは福井さん自身のウラ話やSFへの取り組みをお話ししていただきました。 (聞き手:HAMACON2実行委員会)


●今回はHAMACON2のゲスト・オブ・オナーをお引き受けいただけましてありがとうございます。

「いえいえ、まだ何をすればいいのかよく判らないのですが、いい大会になって欲しいので、出来るだけ協力させていただくつもりです」


●福井さんのSFの始まりとSFのイメージとは何でしょうか?

「俺が最初に触れたSFは光瀬龍さんの作品ですね。古本屋に行った時がきっかけでしたが、その後に何冊も読みました。“日頃生きているだけでは押された事のないボタンを押される”という喜びが、SFにはありますね。一方で、“これ、面白いよ”と知り合いの女性に気軽には薦められないのも事実。今後はSFと他のジャンルをうまく融合させて、いかにバランスの取れた作品を供給していくかが重要になると思います。
 俺が作る作品は、それを実践していく事で、少しでも読者が読むまでの敷居が低くなるような努力をしています」


●福井さんのオフィシャルHPでは、『漢道(おとこみち)』というファンの質問や相談に応える場所がありますね。

「そうですね。俺は自分自身でパソコンを持っていませんし扱えないので、妻の“こういうのをやった方がいい”という発想から『漢道』は始まりました(笑)。本当は月1回のペースでやりたいと思っていたのですが、最近忙しくてなかなか更新できない状態になってしまって……ファンの皆さんには悪いなと思っています」


●今年だけで3本の作品が映画上映される事が決定しています。

「はい、そのうちの2本『ローレライ』と『戦国自衛隊1549』はゴリゴリのSFと言っていいでしょうね。『亡国のイージス』もSFの要素は十分に入っています」


●既に上映された『ローレライ』は観客に20代の女性が多く見受けられます。それに伴って女性の人気も上がっていると思いますが……いかがでしょう?

「『ローレライ』に関してはCM等からキャラクターに興味を持って、観てみようと思う方々がいらっしゃいますね。その結果として、女性の観客が増えているのでしょう。
 映画化される3作品の中で、『亡国のイージス』が一番、女性が観るのには敷居が高い作品になっていると思います。ですから、講談社さんの少女漫画雑誌である『別冊フレンド』に書き下ろしで漫画を載せていただいたりする事で、少しでも高い敷居を低くしようと努力しているんですよ(笑)。
 それこそ、今は仮面ライダーのイケメンライダーみたいな存在があって、そういう部分から作品の世界に入る事ってあるんですよね。“それだったら、ここにもいい男揃ってますよ?”というのをアピールしています(笑)」


●福井さんの作品を読ませていただいて過去・現在を問わず軍や自衛隊が基本にある事を考えると、イメージとしてミリタリー系が好きなのかと思われそうですが?

「基本的に武器というモノに興味がなかったんですよね。武器として知っていたのはモビルスーツくらいで(笑)。でも、スペクタクルなものを現代の日本でやるとなると、どうしても自衛隊は外せない要素になります。そして、出したからには正確に記述しなければならないと思います。デビュー作の『Twelve Y.O.』はコンピュータ・ウィルスの話ですが、今でもパソコンは持っていません。そこが良かったのかもしれませんね。本人が理解するまで徹底的に調べてから書く、という作業をしています。ですから、詳細な感じが出ていると言われるのでしょう。俺はこのやり方を小説家の高村薫さんから学びました。
 毎回付け焼刃ですよ。一番言われるのは、“元自衛官ですか?”っていう質問ですね。いつも聞かれますが……違います(笑)」


●最後になりましたが、今回の日本SF大会参加者に一言お願いします。

「この大会と俺の作品を通して、SFの良さを知ってもらえるように頑張ります」


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