======================================================================== 【画  題】『ピュグマリオンの恋人』〜マルチ(『To Heart』)〜 【登 録 名】 k_at9706.psd( 2,515,208 bytes )(オリジナル) k_at9706.jpg( 122,353 bytes )(HP用) k_at9706.gif( 7,593 bytes )(HPイメージ用) 【制作者名】 蟹玉GO! 【制作月日】 一応の制作終了日−1997/06/05−(原画は1997/05/26〜31頃) 【カテゴリ】 Graphic/DATA 【前提条件】 フルカラー環境 ------------- 【描画環境】 AT互換機(本体) Pentium(r)/RAM(64.0MB) Matrox MGA Millennium PowerDesk(グラフィックアクセラレーター) 1.00GB(内臓HD) 1.00GB(外付けHD) 1.26GB(外付けHD) MATUSHITA PD-1 LF-1000(PD) TOSHIBA CD-ROM XM-3401TA(CD-ROM) Microsoft Windows 95(4.00.950)(アプリケーションソフト) PhotoShop 4.0J(描画ソフト) WACOM UD/UD-0608-R,V1.4-4(タブレット) NANAO FlexScan 77F(モニター) 【転載条件】 付属 DOC/TXTに記載。 【動作環境】 PSD/JPG形式データの閲覧が可能な環境 ======================================================================== 【タイトル】------------------------------------------------------------ 『ピュグマリオンの恋人』〜マルチ(『To Heart』)〜 昔、和田慎二氏の漫画で「ピグマリオ」という漫画があった。 クルト王子が、石にされた母ガラティアと村人を元に戻すために、宿敵メデュー サを求めて旅をする…概要はそんな感じの(もっと深いのだけれど、ここでは説 明しない。ちなみに全巻リアルタイムで揃えた)ストーリーだった。 けれど、ここでのピュグマリオンは、それではなくて、自らの作り出した女像に 恋した、ギリシャ神話の男の事。 表記的には「ピグマリオン」だが、口語では「ピュグマリオン」の方が好き。 「自ら」って所は、文献によって違う。 ホントは「造らせた」とか「献上された」とからしいけど…。 ピュグマリオンはキプロス島の王で、象牙で造った女像に恋し、アフロディテが それに命を与えて人間とし、妻に娶った。 『ピュグマリオンの恋人』はつまり、象牙の像の事。 人の創り出した、人にして人でないにもかかわらず人の心を持つモノ。 マルチをプレイした時、それが鮮烈に頭に浮かんだ。 【テーマ】-------------------------------------------------------------- マルチの素直さ、健気さ、前向きさ、儚さ、哀しさに胸締め付けられた俺の、せ めてもの表現としてのCG。 『TO Heart』は、ものすごく久しぶりに、発売日に入手したエッチゲー。 マルチとはその登場人物。正式名称(製品番号)は「HMX-12」なのだが、そんな のはどうでもいい。 当初、俺的には「攻略の図式」というものが出来ていた。 「神岸あかり」 (ぽやぽや) 「長岡志保」 (さる) 「保科智子」 (いいんちょ) 「松原葵」 (さくら) 「マルチ(HMX-12)」(家電) 「姫川琴音」 (のーりょく) 「宮内レミィ」 (パッキン) 「来栖川芹香」 (せんぱい) …が、マニュアルに記載されていた登場人物。 ( )内は俺的呼び名。うるさいよ、そこの君。 パッキン→さる→家電→せんぱい→いいんちょ→のーりょく→さくら とりあえずヒロインのぽやぽやは、最後のつもりだった。 「幼なじみ」というのは、特別の思い入れがあるので、「ごちそうは最後に…」 というわけだ。 その後は、好きな順。(だから「さる」とは言っても、好きなのだ) 家電…失礼、マルチは3番目だった。 基本的にロリは好きじゃない。 それに見るからに、それ系の方がお好きになりそうなタイプ。 けど人外(これが大事。俺的には)だから、前の方。 なのにハマった。 結局マルチ(1st)レミィ(2ndplay)あかり(3rdplay)芹香(4th)志保(5th)智子(6th) の順となった(0604現在)。 (あかりは我慢できなかったわけだ。つまり) 「こうなる」と解っているのに、そこに持って行く手腕が秀逸なのだろう。 ちなみに俺のマシンでは音楽が聞けない。 なぜだか聞けない。 だから、無音(実際には会社でプレイしたので、まわりの雑音があったわけだが) でのプレイだった。 なのに、涙が出そうになった。 受け継がれるべきモノが受け継がれない哀しみに憤ったから。 それは「ほたるの墓」のラストシーンに通じるものがあった。 きっと曲がリンクしていたら…泣いていたかもしれない。 ピュグマリオンシンドロームを扱ったものは星の数程あれど、マルチの場合は某 『プロジェクト・ゼロ』のオイロットと同系と見る事が出来るだろう。 それにしても、俺ってつくづく人外が好きだ。 アルファもそうだし。 【制作記】-------------------------------------------------------------- 人間的温かみの無い顔と、ほんわかした顔、それに、ドジで情けない可愛らしさ の仕種を同時に描こうと思っていた。 最近、出来上がりの予想レイアウトを描く事が少なくなっている。 頭の中だけに思い描いて、おもむろに素材を描き始めるのだ。 思考でレイアウトしたのは ●感情の無い横顔 ●口元に手をやって頬を赤らめる顔 ●犬と一緒に大きく手を振ってこちらに向かって歩く ●ブレーカーがおちて「ふらぁ…」となる ●主人公を探してベソかきながら探しまわる この5つ。 結果として「犬と一緒に歩く」のはカットしたけど、あってもよかった。 それぞれB5の紙に書いて、100%で150dpi。かなりの大きさ。 別個に彩色して、トリミングしつつ合わせた。 ●感情の無い横顔(横顔) 単色ベタ塗りに、フィルタでテクスチャ(クラッキング)をかけて、その次にテ クスチャライザ(砂岩)。 バックに金属のテクスチャを貼った。 その後はレイアウトしてからの調整。 ●口元に手をやって頬を赤らめる顔(正面) オーソドックスな塗り方。 通常通りの塗り。 耳(センサー)のデザインとカラーを変えている。 顔があんまり可愛くならなかった。 下絵の時、気に入らなくて、何度も何度も描き直していたから、勢いが無い。 口元だけで15回は描き直している。 ●ブレーカーがおちて「ふらぁ…」となる ●主人公を探してベソかきながら探しまわる(コミカル) この二つは縮小が決まっていたから、厳密に彩色していない。 もっとラフな感覚が欲しかったので、「ブラシ100%」のザブ全OFF(通常はサイ ズをON)で、油性マジックインキを使ったような感じで塗った。 だからはみ出しまくり。 各部位はレイヤーで分割。納得したら統合。その後、「焼き込み」「覆い焼き」 それぞれ「中間」でライトとシャドウを加えた。 それぞれ、ゲーム中のカラーを参考に(スポイトした訳でない)している。マニ ュアルのカラーも嫌いではない。むしろ好き。 けど、マルチの「ほんわか」はピンクでしょう? 「正面」の画面サイズを広げて、一旦全部の素材(線画以外は画像統合)を持っ てくる。 4.0になって、レイヤーをドラッグ&ドロップでそのまま持ってこられるようにな ったのは泣く程嬉しい。 「横顔」を反転(元は左向きだった)、「コミカル」を縮小。 そしてレイアウト。 「正面」に二重のフレアをかませ、「横顔」はレイヤーを「乗算」「ソフトライ ト」化し、「コミカル」は彩度を落した後、半透明80%化。 線画のエッジを柔らかくしたり、色を変えたり、ちょこちょこいじって完成。 【作成情報】------------------------------------------------------------ (オリジナル) 画像サイズ k_at9706(1214×1000 pixels) 画像形式 psd (HP用) 画像サイズ k_at9706( 600× 494 pixels) 画像形式 jpg (HPイメージ用) 画像サイズ k_at9706(100× 100 pixels) 画像形式 gif 制作時間 コア時間−およそ10時間−(紙上作業は含めない) 使用画材(原画) MITSUBISHI uni0.3 M3-552 rotring isograph0.20mm ZEBRA Milli WATER SOLUBLE INK 0.1 【参考資料】------------------------------------------------------------ Windows95ソフト 『To Heart』(Leaf) 『TECH GIAN』(株式会社アスペクト)1997/7月号P62〜67 【BGM】-------------------------------------------------------------- Windows95ソフト 『To Heart』(Leaf) 少女革命ウテナ主題歌シングル 『輪舞-revolution』/奥井雅美 『truth』/裕未瑠華(KING RECORDS) 【BGV】-------------------------------------------------------------- 無し。 【アーカイブ】---------------------------------------------------------- ドキュメントファイル:k_at9706.TXT 画像ファイル    :k_at9706.psd(オリジナル) :k_at9706.jpg(HP用) :k_at9706.gif(HPイメージ用) 【転載等について】------------------------------------------------------ 転載時にファイルの内容を変更しないで下さい。 転載の際には、本ドキュメントが付随した形での転載を希望します。 (あくまで希望ですので、厳密に考える必要はありません) また、次の項目に1つでも該当するネットへの転載は、いかなる場合に置いても 許可する事は出来ません。 1)著作権が帰属されるネット 2)Q2なネット 3)ダウンロードに際し金銭がかかるネット 4)RBBSなネット(ゲートウェイで存在している場合も同じ) 5)その他、有料ネット 上記以外のネットへの転載は、事前に連絡があれば可能とします。 【著作権等について】---------------------------------------------------- オリジナルに関しては、『蟹玉GO!』こと、「KANITAMAGO(かにたま)」は著作 権は放棄していません。著作権は、あくまで作者個人に帰属するものとします。 また、版権ものに関しては、その作者・団体・企業に属するものであり、私的に 楽しむ以外には法律的に認められておりませんので、私個人も、指摘が有り次第、 アップしているネットワークメディアより撤去します。 ======================================================================== '97/06/05(木) BY 蟹玉GO!